サド・マゾ小説の大家団鬼六の代表作の映画化で、美しく雅やかな生花の家元が、嗜虐の魔手にかかって、SMの世界に落ちこんでいく姿を描く。脚本は「女囚101 性感地獄」の久保田圭司、監督は「四年三組のはた」の藤井克彦、撮影は「濡れた壷」の水野尾信正がそれぞれ担当。
破れた畳に家具一つない殺風景なアパートの一室で、木碕は弦月流二代目家元、島原夢路の楚々として雅やかなグラビアに向って自慰に耽っていた。そこへやって来た学友の堀口も、その荒れた部屋と男のにおい、それに木崎の汚い衣裳に驚き入るばかりだった。堀口は、突然大学をやめた木崎を慰めに来たのだった。彼は木崎に洋服を与え、高級クラブにつれて行った。木崎はその店で堀口から、夢路の妹由利子を紹介された。由利子は、姉にも増した美人であった。木崎は堀口と手を取り合って店を出て行く彼女の後姿を呆然として、眺めていた。その...